フランス上流階級の浮気模様を皮肉たっぷりに描いたドタバタ群像劇。
登場人物のほとんどが不倫をしており道徳もへったくれもないし、第二次大戦直前にいったい何をやっているんだという気になるが、浮気相手と打ち解ける妻や、妻が幸せであるなら寝取られを許して浮気相手とあっさり和解してしまう伯爵など、フランス貴族の鷹揚さを感じさせられる。
作中では比較的まともな部類に入る登場人物はこのめちゃくちゃな世界の中ではろくな目に合わないだろうなと思いながら見ていたら案の定。
階級をテーマの一つとして多数の登場人物の思惑が思わぬ方向に収斂していくあたりアルトマンの「ゴスフォード・パーク」は明らかに本作にインスパイアされていると思った。
