福福吉吉

サイド・エフェクトの福福吉吉のレビュー・感想・評価

サイド・エフェクト(2013年製作の映画)
4.0
◆あらすじ◆
エミリーは夫が逮捕されたことでうつ病を患い、自動車で壁に激突して自殺を図る。救急で運ばれた病院でバンクス医師がエミリーの精神面での治療を行うことになった。バンクス医師はエミリーが希望した抗うつ剤アブリクサを処方して症状の改善を図る。しかし、新薬の副作用で夢遊病を発症したエミリーは知らぬ間に夫を殺害してしまう。アブリクサを処方したバンクスに非難が集中し、バンクスは追い詰められる。

◆感想◆
ストーリーは先を読ませない意外性のある展開になっていて、抗うつ剤の副作用による殺人という通常あり得ないと思われる事件に上手くリアリティを持たせたうえで、それをさらに上回る展開で観ている側の意表をついていて面白かった。それでいてラストにはしっかりそれまでのフラストレーションを解消することで観終った後に面白さを再び実感できました。

エミリー(ルーニー・マーラ)は夫がインサイダー取引で逮捕されて以来、精神的に病んで本作の事件を起こします。ルーニー・マーラの演技がとても良くて本作の大半で見せる可哀そうな表情から終盤に見せる表情へのギャップがとても良かったです。

バンクス医師(ジュード・ロウ)は若い精神科医として精力的に職務に励む普通の人物でしたが、エミリーの事件に関わったことで地獄を見ることになります。これが本当に悲惨で、非難が集中して仕事にあぶれた上、バンクスは事件の謎の解明しようと頑張るのですが、周囲の誰も相手にせず、まるでバンクスが病んでいるかのように見えました。それでもバンクスが屈服しなかった姿はとても良かったです。

エミリーの事件後の展開として、エミリーの前医のシーバート医師(キャサリン・ゼタ=ジョーンズ)が大きく関わってくるのですが、色気たっぷりの妖しさとクールな表情が素晴らしくて注目せざるを得ませんでした。「この俳優を使っていてただの第三者で終わらないよな」というメタ的な予想は当たってしまいました。

ストーリー構成の面白さと俳優たちの演技の良さが際立つ作品になっていてとても面白かったです。

鑑賞日:2024年1月23日
鑑賞方法:Amazon Prime Video
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