肌の色だけで蔑まれ、居場所を持たなかった主人公のジャッキー。
世間の差別に対してやり返すことこそ勇気と思っていた彼が怒りに堪え、拳の代わりにバットを握り、大リーグ初の黒人選手となる物語。
人は初めてのことをすると非難される。
白人中心の文化では、有色人種が野球する、ただそれすらも当たり前ではなく非難の対象で。
白人の発する声と黒人の発する声、
投げるボール、涙には何一つ違いはないはず。
人の心を動かす条件に肌の色は一切関係ないのに
不当に扱い、扱われる。
きっと要因を大きく占める"空気“の持つ力は強大で、この魔物の前では抗うことは愚か、簡単に飲み込まれてしまうのだと思います。
現代日本でこそ黒人差別は目にしないが、
先入観を持って接してしまっていることや、
周りの空気に飲まれてしまっていることは、全員にあり得ることなんだと思う。
だからこそ、この映画をただの過去の英雄の話の一つなんかに捉えるのではなく、一人一人がジャッキーに己を投影することができたら世界中からイジメや性差別はなくなるんだろうなって。