女性に対する暴力シーンが多く見ていてしんどい気分になるけど、ポルノでしか描けない人間のおかしみみたいなものがしっかり映ってて、最終的に人間がかわいかった。
神代辰巳は関西弁であることが結構重要なのかも。関西弁の方が圧倒的に面白い。
心斎橋の謎の子供との戯れシーンとか、低い屋根瓦の家が並ぶ中での物干し場とか良いシーンはたくさんある。
あと回転がひたすら反復する。
お抱えの女優が妊娠したことによって撮影できなくなったポルノ監督が、偶然弱みを握った人妻で撮影することに成功するも恋に落ちて撮影どころではなくなってしまう話。
一一一一
昔観ていたことを忘れて、2021.12.2ヴェーラでのロマンポルノ特集で再見。
開始3秒で観たことあることに気づく。それくらいインパクトのあるオープニングだった。
妊娠したAV女優なんて、まさにそれを主体にとりそうなのに、そこを脇に追いやって、芸術を追い求める映画監督を主人公にするとか、随所に変なズラしがあるところも好感。
騙して自宅に連れ込んでセックスして撮影するとか最悪なレイプ行為なんだけど、それを女性が受け入れるというストーリーにすることで、ファンタジーに徹してる。ただファンタジーであることを、裏方を画面に入れることで自覚的に撮っていることを示す。
整合性とか細かいことは無視で、ちょっと冗長になりかけたらすぐに音楽が入るし、その辺の使える手はなんでも使うはしたなさと、簡単にアップにせず遠景のまま魅せる凄く良いショットも随所にあったりしてその辺のごちゃまぜ感が面白かった。
まあ要は、どうやったら観客が楽しめるかを最優先に作っているのだと思う。そしてこれで良いのだと思う。
廊下でローラースケートつけての立ちバックとか、堤防からの謎の落下とか意味不明で不要に思えるシーンがバシバシ入ってくるのがなんか面白い。
めちゃくちゃなエネルギーがほとばしってて面白かった!