メディアの持ち上げ方と持続期間が異常で敬遠していたので未視聴の友人とレンタルで吹替鑑賞。
いい話だが、至極シンプルで始終どこか俯瞰的。絵本を読み聞かされているようで感情移入できるキャラはいなかった。この作品のオリジナリティやディズニー世界独特の愛嬌はオラフに凝縮していると思う。彼に笑わされ楽しめた。
歌仕立てで台詞では人物に多くを語らせていないせいか、一番人間くさかったのはヴィランの記号からはみ出る程のクズさを見せた王子だ。
なにより歌と物語に、さてお話に戻ります…といった断絶感があり、美女と野獣の完成度に遠く及ばず肩透かしだったのが残念。(雪だるまの歌前後はうまく馴染んでいたと思う)
ただ、今年ディズニーの演奏会でアナ雪を字幕映像付きで聴いた際に目で追った翻訳歌詞に「まるで別物じゃん!」と衝撃を受けた。ニュアンスが全然違う。作品感がかなり変わる。そこで初めて「アナ雪も悪くないやん」と思えた。
アニメと旋律を合わせるのは難しいのかもしれないが、日本語というのは豊かなくせに翻訳を無難な綺麗事に整理して作品の印象さえ変えるから定期的に戦慄する。
その恐ろしさも再認識した有難い作品。