洋梨

アナと雪の女王の洋梨のレビュー・感想・評価

アナと雪の女王(2013年製作の映画)
3.8
BD日本語吹替で鑑賞。隠し続けてきた自分の魔力が意に反して露わになり、民草までも慄かせ国の経済をも窮地に追い遣ってしまう。全ての災厄の元凶みたいな女王が、自分自身を肯定する過程を、瞬時にそして強引に観客に納得させてしまうのが「Let it go」という歌の力。歌の力ってやっぱ凄い。
極東の地では毎年夏の終わりに、愛が地球を救っているらしい。本作で王女を救う愛は、王子か運送屋か、どちらの愛かとハラハラさせた処で、ディズニーの伝統からすると、ちょっと意外な愛が王女だけでなく女王をも救う。男の沽券と面目がまる潰れな展開を、肩すかしと観るか現代的と観るか。俺としては「女は男に幸せにしてもらうだけの存在ではない」という本作の描き方に共感する。
アメリカのアニメは少し苦手。スターウォーズⅠのジャー・ジャー・ビンクスみたいなコメディリリーフのうざいキャラが必ず出てきて「嗚呼俺は子供向けの映画を観てるのか」と一気に興が削がれるからだ。でも本作のピエール瀧は良い仕事をした。あのトボけた声が雪達磨のウザさを見事に緩和している。
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