まさかハエに感情移入する日が来るとは思わなかった……。
恋愛のいざこざで殺された主人公がハエに生まれ変わり、愛する女性に近づく悪い男をあの手この手で懲らしめるという物語。「ゴースト」のハエ版・ボリウッド風味といったところ。
日本映画やハリウッド映画と違い、敵役に対する変な遠慮や同情がなく、復讐劇として徹底している。上映時間のほとんどが復讐に費やされるのでちょっとやり過ぎな感じはあるけど、大変スカッとします。
インド映画がすごいなーと思うのは、音楽の使い方がうまいところ。感情をストレートに表現した歌を場面場面でBGMに使ってくるので観ている側は乗せられやすい。
シナリオも、登場人物の特技なんかがうまくスジに絡んでて秀逸。
個人的にはビンドゥ役のサマンサ・ルス・プラブという女優さんがめっちゃ好みで、それだけで満足。インドは綺麗な人が多い。
久しぶりにシンプルなストーリーで感情に訴える、いい映画を観た気がする。終わり方にもう少し工夫があれば満点だった。