ものを作り続けるということは、狂ってるし、とってもきついこと。
宮崎駿監督がつくる、最後の作品である「風たちぬ」が完成するまでを追ったドキュメンタリー。
楽しいというより、見ていてとてもきつい。ドキュメンタリーだからか、淡々としている。劇的に素晴らしい話を脚色してみせられているというより、スタジオジブリの淡々とした日常を覗いている印象に近い。
監督含めて、映画を作ってる時の表情は楽しそうというより、キツそうな表情のが多い。みんな苦しんで苦しんでやっと作ってる印象。それでも、その中で笑ったり楽しそうな描写もあるけど。
中でも鈴木プロデューサーが好きだったなぁ。宮崎駿監督が作りたいものを作れるような土壌づくりと、その周りの人々とのやりとりとか非常に頭がいい人だと感じたよ。
物づくりの気持ちもわかる金勘定も得意な人ってまじで、今の日本には少ないと思う。
創作って、ものを作ることってこんなにキツイんだってことを再確認できてよかったなぁ。なによりも、こんな狂気的なスタジオジブリの日常を淡々と炙り出せた監督の力量半端ないと思う。
彼女の取材対象者に近づきすぎない感じがとてもよかった。働くということ、ものをつくるということのキツさとか、それぞれ信念的なものが垣間見れてめちゃくちゃよかった。青春を続けてるおっさんたちの物語。
わたしももっと苦しみたいと思ったよ。