夢と狂気の王国の作品情報・感想・評価

「夢と狂気の王国」に投稿された感想・評価

ネクロ

ネクロの感想・評価

3.0
ドキュメンタリー映画としてテンポ○。「もののけ姫はこうして生まれた」ほどの濃厚さはないけど、インスタントラーメンみたいに手軽に観られる
ジブリ名物3人のおじさんを密着した実録。
宮さんのお仕事密着中心に、間に鈴木さんのお仕事密着、高畑さん特別出演くらいの比率。
3人の強烈な関係性を予習した後に見たほうがより楽しめるはず。

宮さんはとにかく喋る。
中には従来作品に対する回答みたいな発言もありなかなか面白い。
タイトルの「夢と狂気の王国」とはよくいったもので、宮崎駿は戦争反対と言いながらミリタリー全般に造詣が深く、子供にアニメをあまり見せるべきではないと子供向けアニメを作る、といった具合に行動と発言に多くの矛盾を持つ人だが、それが垣間見れるドキュメンタリーでもある。

ジブリは突き詰めると作品よりも、宮崎駿と仲間たちのエピソードのほうが面白いんじゃないかと思ってしまうから困ったものである。笑
ワサビ

ワサビの感想・評価

5.0
久しぶりに見たけどやっぱり面白かった。
リアルな現場ドキュメントとと言うより、砂田監督のジブリ訪問記と言う印象。
少しわかりづらい「風立ちぬ」と言う映画の一つの回答でもあるし、宮崎駿とサンキチさんと言う女性を主人公にしたプラトニックな物語ともとれる。
その辺りを緻密に柔らかく編集してるのが上手いなぁと思う。

鈴木敏夫と庵野監督の車中の会話は涙ものです。

あと、Blu-ray(DVD)は特典映像たくさんで二度美味しい。
ジブリの身内映画だからしょうがないんだろうけど、宮崎駿の矛盾を全然突き詰められてないし、『地獄の黙示録』のカーツ大佐的存在のはずの高畑勲についに取材したと思ったらまるで肩透かしな内容だったりして、なんとも不満。
宮崎駿がストップウォッチでアクションの尺を測っているところと、宮崎吾朗の表情には真実が宿っていた。


演出0.6
人間0.7
構成0.5
驚き0.6
趣味0.5


演出=総合的な演出
人間=俳優および被写体の魅力
構成=脚本や画面の全体的な構成
驚き=斬新さ、意外さ
趣味=個人的な好き嫌いの印象
宮崎駿監督『風立ちぬ』の製作現場に密着したドキュメント。

己への一切の妥協を捨てたゆえにスタッフにも妥協を許さぬ姿勢、ピリピリして疲弊した現場がジブリの製作風景だと思っていたが、本作で映る風景は実に淡々たるもの。宮崎と鈴木が「主役の声は庵野でいいんじゃない?」と笑い交じりにいう一声に固まるスタッフたち。「オタクってのは学ばないですから。私はオタクじゃないですよ」といった直後にゼロ戦の玩具で「ぶううん」と遊ぶ宮崎。アニメーションの製作はその苦悩が目に見てわかりやすいものではないため、そういった日常のエピソードに目が向けられがちだが、本当の闘いは机の上で静かに繰り広げられている。
風立ちぬとかぐや姫ができる過程を追ったドキュメンタリー。宮崎駿と言ったらよくある密着取材の通りぐちぐち怒りながら仕事をしているイメージがあったけど、この映像ではそんな一面よりも、70代になった今の仕事への姿勢や取り組み方、これまでの歩みを収めている。そして風立ちぬのできてゆく過程を通して、仕事人・宮崎駿と鈴木敏夫(そして高畑勲)を追うことができる。
声優が庵野に決まりかけている時スタッフが地蔵のように固まっていたり、「私はオタクじゃないんです!」とキレてる映像の直後の飛行機ぶぉーん!という編集は最高に面白い。
あと学生の頃は鈴木敏夫が嫌いだったけど、今になって見るとこの人も立派な仕事人で、わりと好きになれた。

映画ではなくドキュメンタリーなのですが 宮崎駿がどういう人か知ることができて、その言葉の1つ1つに考えることがありました 引退会見の前に、窓から外を眺めるあのシーン、あそこでぞくぞくして涙がでた 終わり方もよい 人を大きく見せず 素朴なところがよいドキュメンタリー
編集うまいなと思った
ちょっと物足りない気はしたけど生々しいであろうスタジオジブリを落ち着いて見られるドキュメンタリーだと思えば安らぐ
ジブリには天才が集まってます
「つまらない街でもとんでもない映画の舞台になるんです。そうやって見ると面白いでしょ?はるか向こうまで行けそうな気がするよね。行けるんじゃないかな」

「なんでってそれわからないよ。人生の秘密でしょ」
2MO

2MOの感想・評価

4.2
映画的情緒が淀みなく流れるように、前後のフッテージが螺旋的に繋がって響き合う構成と編集の巧さに舌を巻く。

数あるスタジオジブリのメイキング作品に嘗てなかった、記録映像の枠をはみ出してドラマを紡ぎ出してしまう初めてのドキュメンタリー“映画”。あの宮崎駿を素材にして。もしかしたら事実と創作との境界を跨ぎながら、現実に色を塗っていく。被写体を通して、その先に何かを見出そうとする“意志の表現”としての、映画作家砂田麻美、マミちゃんの眼差しの記録である。

それは図らずも、もしや運命的な導きによって、映画監督・宮崎駿の“エンディングノート”を仕立ててしまったんじゃないかな。
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