BEEKENY

午前3時の無法地帯のBEEKENYのレビュー・感想・評価

午前3時の無法地帯(2013年製作の映画)
3.5
2023-07 107

今泉監督作品19本目

2013年の作品
10年前だとしたらまだこんなパワハラセクハラ
がどうとかあまり大騒ぎしていない時代か。。

仮にあの時代のデザイン制作会社系の職場環境の
現実が多少ブラックだったとしても
あれはないよなあ
かなりディフォルメされていたとしても
あんなことやってたら今じゃみんな訴えられます(笑)

でもそれは仮に映画の話でそれを言ったら
元も子もないということは百も二百も承知ですが

イメージ的には

女子がデザインや出版の世界で頑張る作品としては
ハケンアニメ

デザイン制作会社のブラックぶりは
MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない

そんな感じかな

そんな劣悪な職場環境のパチンコ系のデザイン制作会社に
勤める本田翼演じるモモコは
毎日POPやポスター、チラシ、のぼりばたとか様々な
SPツールの制作に追われています

あの作業のシーンやPC画面なんかはかなり取材されていたようで
だいぶリアルに描かれていますね。
モモコはそんな状況で彼氏にも浮気され、
職場のみんなからセクハラパワハラを受けながら
仕事にやりがいを見つけつつ成長していきます。
そこで同じビルの事務所の会社に勤めるオダギリジョーと出会い
恋に落ちる。

そんなまあ単純なストーリーといえばそうなんですが
そこは今泉ワールド、そんな簡単にはいきません

前半は彼氏とも別れ、オダギリジョー演じる多賀谷
と出会い手も握ってもこない彼に苛立ち、どうしたらいいか
わからず、仕事も思うようにならずやきもき
イライラ、もどかしい時間が進んでいきます

後半は今泉監督らしい、え?と思わせる展開や
おなじみ鉢合わせのシーンも見どころあり
恋に仕事に ばっさーはパチンコデザイン業界で
居場所を見つけていくのでした!

そんなお話です

気になったことその1
あの営業の輪島 あんな怒りかたしたら
皆辞めちゃいます
それとたぶん関係性で言えば上司と部下という
立場でなく、営業と制作チームという関係
それならばさらにあんな態度を制作スタッフに
とったらみんな相手にされなくなります。
いかにも俺が仕事とってきたんだからいうこと聞け
的な言動はいただけません
昭和オヤジの価値観よりもっとさらに昔の感覚です きっと

その2
鉢合わせのシーンで多賀谷が
「モモちゃんは僕のこと好きじゃないの?」
とみんなの前で叫びますが
そこは普通そうじゃないでしょ?
あの場面ならまずは「僕が君が好きだ~~!」
と叫んでから「僕のこと好き?」のほうがよかったと思います
演出上煮え切らない多賀谷に一言ぶちかます流れを
作りかったんだろうけど
観てるほうはあの展開ではああはならないだろうと思ったりして

その3
多賀谷の同僚 遠藤
どこかで観たことあるなあと思ってたら
木南晴夏??
ブラッシュアップライフの
みーぽんではないか!

その4
なんとなく部屋の間取りや間仕切りのサッシや
廊下の雰囲気、屋上の作りがどうにもオフィスビルでは
ないなあという印象はありましたがそこはあえて突っ込みません

とかいろんなことをイメージした作品でした

でもね、、
この10年後のいま、やはり引っかかりを感じるのは
やはり当時の会社はまだ男性中心の組織であって
女子に合わせるのではなく女子が男性の価値観に
合わせなければいけない時代だったということですね
この作品もこういう視点で描かれている気がします。

基本はこの作品はたとえ劣悪な職場であっても
みんなが協力し合っているので暗いお話じゃありません。
主人公本田翼が前向きに奮闘して男社会になじんでいく
という話です
ばっさーの元気はつらつ頑張りぶりが発揮されています!
最後に後輩に「仕事なめんなよ!」の
しめくくり。10年前ならこれでよかったかと。。
これがまさに当時の男社会の作り上げた
男目線の男上位のブラックな職場なんだね。

そんなこと思ったりして。

以上 かなり熱弁しちゃいました
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