ネットが生活の一部となり、それによる犯罪やトラブルが日常茶飯事の出来事となった今、他人事とは思えない怖さを感じました。なりすまし、個人情報の漏洩、出会い系、PCの遠隔操作などインターネットやSNSが発端の3つの事件を描いた群像劇です。
リアルな関係における孤独や満たされない気持ちの解決をネットの繋がりに求めるのは危険なことだと、言うのは簡単だけど、そこに救いを求めざるを得なかった人の気持ちはその人にしかわからないのだと思う。この映画はネットのリスクや罠に警鐘を鳴らすだけにとどまらず、リアルな関係の改善に繋がる展開となっているせいか、内容の割りに後味はさほど悪くなかった。事件自体はどれもリアリティーあるもので見ていていたたまれなかったけれど、身近にいる大切な人の心の闇や悩みに気がつき、絆が修復される側面があるのが救いになった。
ネットの繋がりも多くの繋がり方のうちのひとつ。生活の一部になっているからこそ、リアルだからネットだからというのではなく、どちらも、どのように向き合い誰とどのように付き合っていくのかということが重要なんだと思う。