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ぼくたちの家族のfilmeetsのレビュー・感想・評価

ぼくたちの家族(2013年製作の映画)
3.5
2014.6.12@UCキャナル

「こういう時は、笑おうよ。」認知症のようになった母が、状況をわかってかわからずか、繰り返す言葉。実に単純だなぁと思いつつもじーんとくるシーン。
突然、母が病気になり余命一週間と宣告された。それをきっかけに父、自分、弟に様々な問題が見えてきて、立ち向かっていく姿を描く。ごく普通の、どこにでもいそうなひとつの家族の物語。

母の借金に、身重の妻、頼りない父親に、なんだか真剣に心配してない弟、ちょっと苦手な上司、と色んなものに板挟まれている主人公の姿に、あぁもうだめだめ、見てられない!って目を背けようとした時に、主人公が決意する「悪あがき」にちょっとずつ心が救われていった。
お金がないからなんだ?余命短いかもしれないからなんだ?今、ただへこんでるよりやるべきことがあるんじゃないか?って気付かせてくれる映画。観て良かった。

とりあえず、妻夫木君が兄で、池松君が弟でって、こんなイケメンなブラザーいないー!特に『愛の渦』に続き、池松君がすごくいい!手術が終わった時のシーンなんて、もう萌えそのもの。長塚京三のダメ父っぷりと原田美枝子の病気っぷりはさすがだなーと思うし、車の腹に何度かこすってる跡があったり、家の中の物の配置がわかりやすくて、視線の先に何があるのか自然とわかったり、さりげない演出は良かったと思う。
反面、わざとらしいくらいストレートな、星座占いからの展開にニヤニヤ。待ち番号札、とった時点で透けて見えてたから数字がアップになる前からニヤニヤ。
一見、すごく重そうなテーマなのに、それなりの重さは保ったまま、明るさやあたたかさを交えている、素敵な映画。家族が大切な人もそうじゃない人も、一度観た方がいいと思う。
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