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もらとりあむタマ子のamamのネタバレレビュー・内容・結末

もらとりあむタマ子(2013年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

あっちゃん良かったー!!始終タマ子に親近感わきまくりだった。

「100円の恋」のもらとりあむ一子は32歳だったが、「もらとりあむタマ子」は23歳だからか、ぐうたらぶりもタッチが軽く、観てる側としてそこまで深刻にならずに見れた。

日常の細かい描写によってタマ子のキャラクターが浮き彫りになっていき、最後はタマ子が愛おしくなってくる。くすっと笑えて、ちょっとセンチメンタルな気持ちにさせる、山下監督の持ち味が光ってた。

実家の辞書が並んだ学習机が残る部屋。田舎のスポーツ用品店の雰囲気。家着のジャージ。トイレで漫画。ファンヒーターの灯油補充ジャンケン。ガンガンクーラーきかせてタオルケットにくるまる。ロールキャベツ噛み切れなくてキャベツがペロンとなる。田舎の美容室での出来上がりには文句言えない。従順な年下の男子中学生を舎弟につける(友だちがいないと同情されてるだけなのか…)
などなど、あるある話も多分に盛り込まれていて楽しく、小物使いもさすがだった!

お父さんのキャラクターもいいわー。
ちゃんと昆布とかつおで出汁とって、汁物つけて、サラダつけて、さんまにはちゃんとかぼすと大根おろしつけて、パスタにパセリのせて、ゴーヤチャンプルには鰹節ちらして。でも、ゴーヤチャンプルに冷や奴というのは、リアルでうけた。
わたしはぐうたらしているとき、まず食から堕落していくんで、ちゃんとタマ子が青汁やホットサラダ食べてるのはえらい、そこだけは自分でやってるし。健康がいちばん!

どこにも属してなくて自分が何者でもないのってすごいつらい。自分は変わっていないのに周りがどんどん変わっていくようにキラキラ見えてつらい。
そして自分じゃないだれか、ここじゃないどこかを求めた先が、オーディション!(笑)就職しろと怒る前に、おまえ体の具合でも悪いのか?と聞いてくるお父さんのやさしさ…。つらい。
モラトリアムから抜け出すには、それがなにであっても、きっかけがないと無理。

甲府の田舎の風景を通して自然に季節と時の流れも感じることもできて、なんだかもう少しゆっくり生きてもいいのかなと思ったり。
最後は星野源の「季節」
いい映画観た。
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