pippi

フィービー・イン・ワンダーランドのpippiのレビュー・感想・評価

5.0
この映画を観るきっかけはエルファニングが出演しているからという単純な理由。可愛らしいファンタジー映画なのだろうと思っていたのだけれど。観終わった今はそんな風に思っていた自分が恥ずかしいほど。幼い子どもが自分の病気を自覚することが。親が子どもの病気を受け入れることが。ましてや個性だと思っていた行動や言動が病気に姿を変えたとなれば。その気持ちは計り知れないと思った。不思議の国のアリスの世界を用いて現実と空想の狭間を行き来する主人公の姿は、胸が苦しくなるほどに切ない気持ちにさせられる瞬間もある。自分の抑えらない行動や言動を必死で止めようとする姿には涙がこぼれる。それでも好きなことに身を置く瞬間の輝きには自然と顔がほころんだ。メランコリックな映画に聞こえてしまっていたら、それは大きな間違いで。不思議と登場人物の一言一言に前向きな気持ちを抱ける素敵な映画です。
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