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エクスペンダブルズ3 ワールドミッションのRのネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

自宅で。

2014年のアメリカの作品。

監督は「ヒットマンズ・ボディーガード」のパトリック・ヒューズ。

あらすじ

バーニー(シルヴェスター・スタローン「スライ スタローンの物語」)率いる消耗品軍団「エクスペンダブルズ」の前にかつてチーム結成時のメンバーでありながら、麓を分かち、悪の武器商人となったコンラッド・ストーンバンクス(メル・ギブソン「ミッドナイト・マーダー・ライブ」)が現れる。チームの弱点を知り尽くした過去最強の敵に対し、エクスペンダブルズは崩壊の危機に直面する!

今週公開の最新作の復習のためにシリーズを一挙鑑賞。ようやく3作目。

今回ものっけから、装甲列車に乗り込んで、奪い取った上に、備え付けの機関銃乱射しながら刑務所に突っ込んで爆発させて、「イェッハーーー!!」といった、やってることは残虐なのにどこか微笑ましくもある男臭いオープニングからスタート笑。

で、なんで刑務所を襲ったのかというと、今作で新たに登場するチームメンバー、満を辞して、あのウェズリー・スナイプス(「星の王子ニューヨークへ行く2」)が演じるドクター・"ドク"デスを救うため。あの「ブレイド」やスライと組んだ個人的にも大好きな「デモリションマン」など、今年復刊する(大丈夫か?)「映画秘宝」ではかつて「黒い中学生」の愛称で親しまれたスライと同じく80年代筋肉スターなんだけど、元々は一作目から出る予定だったものの当時、今作でも自虐ネタとして本人のセリフとしてあったように「脱税」容疑で捕まっていて出演ならずだったんだけど、今作からようやく念願叶い出演!!どうやらバーニーとはチーム結成時からのメンバーの旧友らしいんだけど、髭も髪もボサボサの状態で機関銃をぶっ放したり、復帰後の初ミッションでコンテナからコンテナをパルクールように機敏にジャンプして乗り移るなど登場時からド派手に活躍!!

また、長年刑務所に勾留され若干イカれ設定があるのか、相手を馬鹿にするかのように「チリン、チリン」と言ってふざけたり、「電話してね!」的なハンドサインをしたりと煽りスキルも高い!!「ドクター・デス」という異名の通り、チームでは衛生兵だったらしいんだけど、ぶっちゃけドクターとしての活躍はなし!その代わりナイフ使いらしく、そういう意味では現在のナイフ使いポジのクリスマス(ジェイソン・ステイサム「オペレーション・フォーチュン」)とのナイフマウント合戦がまた微笑ましい。

そして、そんなドクを加えて間髪入れず挑む次なるミッションは武器の密売組織のリーダー「ミンズ」という男の排除と取引の阻止。待機させていたシーザー(テリー・クルーズ「モンスターズ・リーグ」)とも合流し、任務も危うげなく進行…と思いきや、取引の現場に現れたのはかつての「エクスペンダブルズ」の仲間だったストーンバンクス!!

そして、それを演じるのが出ました!!メル・ギブソン!!一作目ではエリック・ロバーツとオースティン、2作目ではヴァンダム、そして今作ではメルギブと敵側もアクションスターの流れが今作でも継続された形での出演なんだけど、やはり俳優としてだけでなく映画監督としてもアカデミー受賞経験のある映画人メルギブが演じているだけあって、とにかく出てくるだけで「格」が高いっ!!しかも、かつての「エクスペンダブルズ」結成時からのメンバーであり、過去最強の敵というだけあり、ヘリ機内からライフルを乱射してシーザーに重傷を負わせた後、ミサイルを落としてチーム全体を崩壊させるなど、のっけからめちゃくちゃ脅威。スライとしては本当は監督も一任させたかったらしく、それは残念ながら叶わなかったらしいんだけど、もし監督もしてたら熱かったなー!!

で、そんなかつてない大ピンチの状況でシーザーは意識不明の重体、チーム全体を危険に晒したバーニーはメンバーを想い、チーム解散を命じてしまう。マジかよ…。クリスマスの「これで終わりかよ!」と感情を爆発させるシーンが切ない…。

で、そんなバーニー、それでもストーンバンクスに対する怒りの炎は収まらないらしく、新たに若手を起用!!まぁ、ぶっちゃけ4人くらい仲間になる若手メンバーは紅一点ロンダ・ラウジー(「ロンダ・ラウジー父の目から見た私の物語」)などはいるものの、個性の面では圧倒的に薄いのが正直なところなんだけど、今見るとあの「トップガン マーヴェリック」で印象的だったグレン・パウエルがハッカー役で出ているのが興味深い。

そんな若手集団を起用して、いざストーンバンクスという初陣の場にクリスマスたち元メンバーも押しかけて、旧メンバーvs新メンバーが一触即発ピリピリムード。ただそれでも旧メンを受け入れようとしないバーニーがヘリに乗って飛び立つ現場を未練たらたらで見つめるクリスマスたちの姿がまたせつねーなぁ!

ただ、そんなバーニー以外は経験も浅い若手で構成された新チーム、パウエル演じるソーンのハッキングと「M:IP」シリーズまんまなビル駆け降りシーンなど「脳筋アクションは時代遅れ!」とスマートな潜入アクションなどでストーンバンクスを確保することに成功するものの、ストーンバンクスの罠にハマり、バーニー以外のチームは囚われ、バーニー自身も爆発で1人離れ離れになってしまう。

で、そこでチームに(無理矢理)加入してくるのがアントニオ・バンデラス(「インディ・ジョーンズと運命のダイヤル」)演じるガルゴ!!こいつがまたシリーズ屈指のコメディリリーフで、演じているのがあのバンデラスだからセクシーな色男キャラだと思いきや、元いたチームをクビにされ、本人はやる気満々なんだけど誰にも相手にしてもらえないとい不遇キャラ。ただ、それもそのはずうるさすぎてクビにされたんじゃないかって疑いたくなるほど、アンジャッシュのザキヤマみたいな無駄口を叩く叩く笑。それは非戦闘時だけでなく、銃撃戦の真っ只中でも変わらず全然ブレなくてバーニーをはじめメンバーを困り顔にさせるんだけど、その中で実はチームをクビにされたのではなく、ガルゴ以外のメンバーが全員戦争で殺されてしまったという悲しい過去がわかるんだけど、そこでガルゴのかつてのメンバー紹介を全然聞いていなかったはずのバーニーの口からガルゴの元メンバーの名前が出てきて、聞いていないようで実はちゃんと聞いていたところがわかってガルゴがちょっとグッときているシーンとか良かったなぁ。

また、いざ若手奪還という直前で「俺たちを置いていくな!」とやっぱり駆けつけてくれるクリスマスたち!なんだかんだ言いつつやっぱ心細かったバーニーも遂に絆され、観念笑、「早くヘリに乗れぃ!」とようやく仲直りしていざストーンバンクスとの最終決戦!!

クライマックスは荒廃したビルを舞台に敵の軍隊の数も過去最高に多いし、戦車アリ、爆発あり、そしてバーニーvsストーンバンクスのガチンコタイマンバトルあり(シチュエーション含めて「不良漫画」の主人公とボスの対決シーンっぽいw)と見どころ自体はあるにはあるんだけど、まぁ個人的にはぶっちゃけ過去2作に比べると面白みは劣るかなぁ。各キャラの見せ場もキャラが多くなってる分あんまり描き切れてないし(だとしたらせめて新メンバーのドクだけでもちゃんとした見せ場を作って欲しかった)、かと思えば2作目であった俳優それぞれの「メタギャグ」で笑わせる場面もない。別に若手の活躍は観客側は求めてないんだから、もっと主要メンバーに絞って活躍を見せてほしかったかなぁ。

ただ、過去2作で出てきたブルース・ウィリス演じるCIAのチャーチに代わり(ブルースのギャラ問題で揉めて降板。だから「チャーチは忘れろ」など劇中ではいないことをいいことに酷い扱い笑)、今作から登場するドラマーを演じるのは、あの「インディ・ジョーンズ」シリーズのハリソン・フォード!!劇中ではハリソン本来の趣味が講じた特技「ヘリ操縦」のスキルを活かし、上空からの後方支援だけなんだけど、「ドラマー参上!」とお助け感全開でアシストする様が心強すぎるw

ただ、まぁここもせっかくトレンチが「メタ」のアシストしてるのにドラマー本人が操作に夢中でスルーしちゃってて「インディネタ」ないし「ハンソロネタ」なんかを入れ込んで欲しかったかな笑。

まぁ、ラストのバーニー対ストーンバンクス戦でのトドメ前にストーンバンクスが「ハーグ(という別の場所)で裁くんだよな?」という命乞いに対して、トドメに一発撃って「俺が裁く!」と待ってましたの「人を殺して捨て台詞」を吐くシーンはケレン味もあって、なんだかんだ満足したけど。

ただ、そのクライマックスを経て、1番面白かったのはやっぱりあった打ち上げシーン!!このシーンでは新旧メン入り混じる中、和気藹々としつつ「シーザーに!」と献杯したかと思ったら本人も乾杯してて「いや、生きてるんかい!」となったり、ドラマーが2のチャーチよろしく「楽しかったよ!」とここでも「パーティー」参加できたことに年甲斐もなく喜んでいたりするんだけど、中でも笑ったのがアーノルド・シュワルツェネッガー(「グレタ ひとりぼっちの挑戦」)演じるトレンチと元々は「エクスペンダブルズ」だったものの「稼ぎがいいから」とトレンチに乗り換えたジェット・リー演じるヤンとバーニーのシーン。打ち上げの輪からちょっと離れて2人で仲睦まじくイチャイチャしているところに、バーニーが「部屋でも取ろうか?」とニヤニヤ顔でジョークをかまして、そのジョークに「妬いてやがる。」とトレンチがヤンを肩に抱き寄せてイチャイチャする誰も望んでいないおっさん同士のBLに爆笑!!ジェット・リーも満更じゃない顔するんじゃないよ笑!

そんな感じで過去2作目よりはちょっと抑えめだなと思う瞬間もあったけどポスターアートの「敵も味方もニッコニコ」な感じからもわかる通り、キャスト、作り手たちがこの映画に出れて、作れた喜びがヒシヒシと伝わってくる分、他の映画では得られない多幸感溢れた作品だよなぁと思ったし、もう残すところ最新作だけかぁと思うとやっぱりちょっと寂しくもある作品でした。

この感慨を最新作ではまた思えることができるのか。評価もあんまり良くないし、あくまでハードルは低く設定しつつ、不安半分で待ちたいと思います。
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