今やGoogleに入社すること自体がドリームになってしまっていることに驚きを隠せない。しかしキモチイイくらいハッピーエンドだし、主人公二人のノリに乗った営業トーク(台詞の掛け合い)は、作中の白眉と言って良い。その点では大きく楽しんだ!満足している。その前提で話していく。
この映画は「窮地に立った俺たちが全力で這い上がる」モノ。
展開としては主人公の2人のセールスマン今まで与えられた商材を売るだけの、ただのセールスチームだった。営業力はあるが、商材が無ければ何も出来ない。そして会社が突如倒産し、どん詰まりになる二人。
そこでGoogleのインターンに応募し、正社員の椅子をかけたコンペで5人ひとチームで競うことになる。
話はハッピーエンドで映画を見終わる頃に全てが解決する。
構成はわかるけど、冒頭の「異なるDNAを取り込むことがGoogleの~」ってセリフから考えると、ステレオタイプの秀才プログラマー(理屈や、アイデアを具現化する力)と、ステレオタイプのやり手営業マン(顧客のニーズ、本質的に求められているサービス)が合体して、「日本よ、これがGoogleだ!」ってことなんじゃないの!?
実際のGoogleはユーザー視点が徹底してるわけだしね。
そういう意味でストーリー構成が悪い。
インターンの取り組みの中で、プログラマー視点と営業視点の融合が段階的に行われ、最後に集大成的に全てが噛みあうから大きなカタルシスを産む。
だが本作は各お題目ごとに結束感・達成感・各キャラクターエピソードなど、なんの積み重ねもない。
だからアガりきらない!消化不良感。
それらを積み重ねることでGoogleの基本理念である「世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて使えるようにすること」がメタ的に体現できるんじゃないの?
プログラマー視点と営業視点っていう整理されていない情報があって、それをインターンというGoogleプロセスを経ることで、彼らのチームでその情報がアクセス出来るようになり、彼らのチームがプロダクトを提供することでそれを世界中の人がアクセスする。
そういう意味で根本的にGoogleという世界最大級の「プロダクト」を映画という媒体に落とし込めていない。
やりたいことは分かるけど、もう一捻りできたら傑作だったのに。残念。