KazuAnn

インターステラーのKazuAnnのレビュー・感想・評価

インターステラー(2014年製作の映画)
5.0
クリストファー・ノーラン監督の2014公開の米国及び英国映画。配給はパラマウントとワーナー。

最新物理学の知見をベースに、父娘愛、家族愛、更に普遍的なキリスト教的愛を描いたスケールの大きな唯一無二の傑作映画で、感動させられた。

とは言え、1回目視聴では感動したもののよく分からないところも少なからず有った。ワームホール、回転するブラックホール、その中心の特異点や事象の地平線等、恥ずかしながら用語自体にも馴染みなく、科学者による解説などを読み直す羽目に。まあ、きちんとした理解は難しいが用語には馴染み、特異点に関しては今だ謎だらけということは分かった。そのせいか、その後の2回目の視聴では、映画全体に向き合えたためか更に大きな感動が得られた。

なお、2017年重力波の研究等でノーベル賞受賞するカリフォルニア工科大学理論物理学教授のキップ・ソーンがエグゼクティブ・プロデューサーで、脚本は監督弟のジョナサン・ノーランと監督自身。

映画の最初の方、本棚から本が落ち娘マーフィー(マッケンジー・フォイ)が幽霊がいると騒ぎ、父ジョセフ・クーパー(マシュー・マコノヒー)の示唆で娘が本隙間がモールス信号であること突き止めるエピソードの謎が、最後に明らかになる展開は素晴らしい。そして宇宙に旅立つ前に娘に送ったお揃いの時計が、特異点でクーパー等が命懸けで得たデータの送信に使えることに気が付くストーリー展開の巧みさ、そこに存在する父娘の信じ合う魂の力に感動させられた。この特異点からの二人の時空を超えた意思疎通のバックに流れるハンス・ジマーによる抑え気味のピアノ音が、感動を増幅させ感心させられる。

物理学者になったマーフィー(ジェシカ・チャステイン)が特異点データを元に重力を制御する方程式の解を発見をして、アルキメデス、ガウスに倣い、ユリイカ!と喜びを全身で表現する場面の演出がさすがだ。マーフィーは、そう父親ジョセフが認識した通り、未来人に選ばれた人類の救世主!

マーフィーの成功を確信したクーパーが四次元の世界で見えたのは、ずっと宇宙船エンジュランス号で一緒だった女性科学者アメリア(アン・ハサウエイ)の姿。その思いを導いたのは愛なのか。人類の新天地候補の星で、恋人の墓碑の前たった一人でたたずむアン・ハサウエイ。彼女が依然話した死んでいても行きたいと思わせる愛の力の真実。最後、娘の言葉もあり彼女が待つ星へ向かって飛び立つクーパーの姿が、使命感、開拓的精神、キリスト教的な愛の力を感じさ心を打つ。

いつもながらだが、ノーラン監督作品はラストシーンが実に良くできていて素晴らしい!
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