J

インターステラーのJのレビュー・感想・評価

インターステラー(2014年製作の映画)
4.2
・物語★★★★
・配役★★★★
・演出★★★★
・映像★★★★★
・音楽★★★★

「ゼロ・グラビティ」や「オデッセイ」といった、宇宙を舞台にしたSF映画と同じ系統かと思いきや、良い意味で期待を裏切られた。

宇宙を舞台にしてはいるが、"家族の愛"、ひいては"人類への愛"を描いた至高のヒューマンドラマだ。
その意味で、難解な背景とは裏腹に、テーマは極めてシンプルで分かりやすい。

"人類の存続"という観点からは、切り口は違えど「ツリー・オブ・ライフ」を想起させる。
本作は、様々な宇宙理論や物理学を前提にしている点で、特に文系の人間には理解し難い部分もある。特に、"五次元"の描写にはムリヤリ納得させられた感も否めない…。
ただ、「ツリー・オブ・ライフ」のような宗教色が感じられない分、ストーリーに入り込みやすくはあった。

M・マコノヒーと子役の女の子との絆は、微笑ましくもあり、それ故に別れのシーンには胸が締め付けられる思い。
どんな形であれ再会を果たしたラストシーンは、"愛"あってのものだろう。

恋人への"愛"を失わなかったA・ハサウェイのラストシーンも、人類の希望を象徴している。

これらとは対照的に、エゴに走った人間の末路を描く演出も分かりやすい。
善玉の役どころが多い印象のM・デイモンだが、エゴに満ちた憎まれ役の演技もなかなかだった。

映像美は言うまでもなく、特に終盤のシーンを引き立てる音楽のセンスも素晴らしい。

映画館で鑑賞できなかったのは残念だ。
機会があればまた観たい。
J

J