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インターステラーのmmkのレビュー・感想・評価

インターステラー(2014年製作の映画)
4.8
これはまたすごいものを見てしまった、すごい作品を見終わった後に感じるあの呆然とした感じでしばらく何もできなかった。
是非とも劇場で見たかった。10年後とかに名作をもう一度スクリーンで観る企画が出たら是非上映してほしい。果たしてそれまでにこの映画を超えるSF映画が登場するのか。

まさかSFと愛を同等の位置付けで語るとは。SFに愛が持ち込まれると陳腐になりがちで、それこそ隕石や衛星が落下してきて地球の大ピンチを愛する人の住む星を守るために自分の命を犠牲にする、といったお涙頂戴プロットに陥りがちなのだけど、今回他の映画と一味違うのは、宇宙に旅立った側と地球で帰りを待つ側が違う時系列でストーリーが進む点。これにより観客が思いも寄らない可能性の潜む場所へこの映画は導いてくれました。
時間という不可逆的な要素を含んだ巧妙なシークエンス。そこに重力という魔法のようなスパイスを効かせる。お見事。
三時間近くあるけど、全く長く感じませんでした。見ようと思ったら時間と鑑賞側にもエネルギーは要るけど、それ以上に充足感を得る事が出来ました。

確かにラストは多少のご都合主義はあるけど、人間を突き動かすのが人間たる感情であり愛であり死に瀕した人間の持つ生存本能であり、あらゆる解明されていない世の中の事象の最後のピースって案外そんなものなのかもしれないですね。

ノーラン映画は救いのないような世界に希望を見出せる可能性を提示しながら終幕を迎えるのが好きです。(あくまで可能性。映画は終わるけど物語はまだ続いていくのだから。) すっかりハマってしまいました。今回もまた物語がまだまだ広がっていくのを予感させる終わり方でした。ワクワクさせてくれる。

追記
科学的考証もみっちりと為されているようです。重力研究の権威の学者が制作協力に携わっているとのこと。でなければあんなにリアルで見応えのある映像なんて作れないんだろうなぁ。
もう少し知識を得てから鑑賞したらまた違う楽しみ方ができそうです。
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