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インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌のgregのレビュー・感想・評価

4.2
それは1961年、ボブディランが現れるほんの少し前。あるしがないフォーク歌手、ルーウィンデイヴィスのついてない一週間の物語。

"Inside Llewyn Davis"

基本ゆったりとしたコメディタッチの音楽映画です。突飛のことも特に起こらない。ただ、猫と行動をともにするオスカーアイザックの素晴らしい演技とコーエン兄弟の演出で、決して物語自体はのほほんとしているわけではない。雰囲気映画とは一線を画している。

普通に観てもいい映画だと思うし、オデュッセイアとかボブディランの話とかを鑑みるとなお面白さが深まる。

本当にどうしようもない男が円環構造になった最初と最後で全く同じなのに全然違う。「あばよ」という言葉がどれだけ胸に染みることか。

以下余談ですが、男なら誰でもこの映画のキャリーマリガンに罵られたいと思うはず。実際に罵られたときはルーインのようにしれっとユーモラスに返せるようにしましょう。
「僕の経験では世界には二種類の人間がいる。世界を二種類の人間に分ける人と‥」
「未来?それって空飛ぶ車とか、月のホテルとかのことかな」
「そうだね、君が怒ってないときに話した方が良いよ。で‥それっていつかな?」
「相互の責任って言葉聞いたことある?」

そうすればきっとこんな言葉が返ってくるでしょう。

"FUCK YOU"
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