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子宮に沈めるのjpのレビュー・感想・評価

子宮に沈める(2013年製作の映画)
4.1
心の軋む音で眠れそうにないから
朝は近いが鮮度の落ちないうちに✏️

児童虐待というテーマを真向から描いた
風刺的というには言葉負けしている程の映画。


この映画は、単に1つの家庭の不憫な子供と残忍な親を描いた話ではありませんでした。

本編序盤では明るく育児をしながら
資格の取得にも励む母親が急転落していく姿と
子供たちの衰退していく姿が鮮明に描かれています。
しかし、状況が悪化していく中で
親がどんな事情で狂ってしまったのか
深く表現されていない理由はきっと、
あえてどんな家庭でも起こりうるという
作品からのメッセージなのだと思います。

親の社会的孤立や貧困などで親自身のやり場のない
怒りや悲しみが子供に向くケースは、大小問わず多分にあると思います。
育児を煩わしく感じても相談する場所がなく、身を粉にしながらも少ないお金でやりくりする人が、目の前のことで精一杯になりSOSを上げることすら忘れてしまうのだと。
無論子供に罪はなく許されることではないのですが。

ただ育児放棄の原因については、親のコミュニティでの人間関係や収入等もそれぞれなので、児童相談所や児童体罰防止法などはあっても、国として根本解決することは今後も難しく思います。

だからこそ、本作品の問題から目を背けることなく、少なくとも自分のコミュニティの健康は守り、困っている人へ手を差し伸べるという想いを心の深い所に灯しておくことにします。



後調べですが
児童虐待相談は32年連続で増加しており
2022年度は過去最多となる
219170件。
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