食べ残し、飲み残し、吸い殻が並ぶアパートの机の上、その横で眠る上半身裸の恋人達、酒瓶が並ぶゴールデン街のカウンター…乱雑な日常をシネスコサイズで生生しくドーンと見せる。それがすごく新鮮だった。
当たり前なのにスクリーンには映らない(映せない?)シーンが実はいっぱいあるのかも。
カメオ出演の内田裕也がゴールデン街で話している。
立て板に水状態で聞いてて気持ち良いし、中で連発される丁寧語「〜されている」が、ヤクザの人が丁寧に話す怖さみたいなのを醸し出していて、そのバランスが楽しい。「青春列車」という言葉が面白い。
ラストシーン、「specter crs」と壁に落書きされていた。調べたら暴走族連合の名前とのこと。
彼氏は幼稚でクズ中のクズ、お母さんのように男の世話を焼く彼女も病的。
今でもそういう関係性の恋人達は存在しているのかもしれない。