田舎のいやらしさというか、狭苦しいからこそ息詰まる人間関係があるってのを描いているのは非常に好感が持てるし、それでいてそこに住む人を決して否定しない。田舎に住む人を笑う、あの大学生みたいなやつらを否定するの。そのバランス感覚は好きなんだけど、それでも田舎の人間関係というか狭苦しさはもっとちゃんと描いてほしかったなと思う。長澤まさみの元カレがこの村を出て行った理由とかはもっと掘り下げてほしかった。「何もない」以外の理由が見え隠れするんだけどな
この映画の軸であるだろう「林業の面白さ」と「映画としての面白さ」が共存してないように思うんだよなあ。林業ってこんなに大変なんだなーっていう思いは別にNHKか何かのドキュメンタリーで得られるものだと思うし、その面白さが、この田舎の物語と噛み合ってないなと思いました。
しかし田舎の祭り特有の描写はかなりよかったな、掘り下げは甘く感じたけどラブホテルのくだり、ニューヨークのくだりなど面白い場面も多く嫌いじゃない。あと伊藤英明がトラックに乗り込むまでを長回しで撮ったシーンが最高に面白かったです。
