TakaoOikawa

進撃の巨人 ATTACK ON TITANのTakaoOikawaのレビュー・感想・評価

進撃の巨人 ATTACK ON TITAN(2014年製作の映画)
1.0
志はあっても技術が追いつかない失敗作は愛せるが、技術があっても(特撮には固執し過ぎだが)志がスポイルされた失敗作は愛せない事がよく分かる。

原作の設定を現状に合わせて調整するのは寧ろやるべきだが、キチンと世界観は定義しないとダメ。キャラ設計なども含め細かくやれない所は都合の良く原作に頼り、初見の人を巻き込めない稚拙さが痛い。看板が外せないならいっそあの舞台だけ借りてスピンオフ的に違う話にする位の思い切りがあっても良かったのでは。

そんなこんなで中途半端に原作に沿う形になった上、物語の軸になる主人公の改変された行動原理が途中で瓦解し(しかも今さら碇シンジ的FMTにも落とし込む…)迷走する、話が話に成っていない光景に唖然。独自要素も厨坊の妄想レベルで特に加えた意味もない。結局は巨大自主制作に過ぎず商業映画にはなり得てない。

この規模で作ってテレビ放送時のケアしてる感が無いのもどうか。仮にこれ以上削ったりしたら繋がりもへったくれもなくなるし。そんなバランス感覚の欠如も目立つ。他国に権利だけ売って欲しかった。

尚、監督ブチ切れで話題になった某サイトでの紹介は寧ろ寛大で、書き手の方が大人の対応に見えた。自分のゴリ押し趣味が分からない人間は2流として切り捨てないと自己を保てない位の人は、多分ブロックバスターには向いてない。収穫としては後篇は観なくても良い事が確定したのと、最早惰性で買ってたコミックを改めてちゃんと読もうと思えた事くらい。
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