日本でもようやく、このような美しい作品が作られるようになったのか。
北海道の雄大な大地、青く透き通る大空、対象的な芳醇なワインの赤どれもが一枚のキャンパスになっている。
そこに、タイトルにもなっている「なみだ」に代表される様々な水滴が心に傷を持った大人たちの再生物語を描く。
そして、更に彩りを添えるのが作品全般に流れるクラシックの名曲「カヴァレリア・ルスティカーナ」である。
あとキャスティグが見事。
これほどの美しいロケーションで更に栄える役者をと二枚目男優と美女で揃えていたら互いに相殺するところである。
そこは、大泉洋さんロケーションを上手く利用して流石実力通りだが驚きは相手役の安藤裕子さん。
彼女は、元女優で現在はもっぱらシンガーソングライターである。
そうとは思えない見事な表情での演技、彼女のキャスティグこそがこの作品の美的センスを物語っている。
まとめるなら実に美しく心暖まる作品である!