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ナタリーのSのレビュー・感想・評価

ナタリー(2011年製作の映画)
3.8
カフェで知り合った夫の交通事故による急死から立ち直れずにいたナタリー。仕事に没頭するも社長からのしつこいアプローチに頭を悩ませますが、冴えない男マーカスとの出会いによって再び笑顔を取り戻します。

玩具菓子のペッツにはナタリーの父とのアメリカ旅行の思い出があり、そのことを覚えていたマーカスは彼女にプレゼントします。
今が良ければ良いという、地位、名誉、経済力がある既婚者シャルル(社長)よりも、冴えない男マーカスに彼女を救うことができたのは、何気ない会話の中にあった彼女の大切な思い出を蘇らせられる思いやりと気遣いだったのだと思いました。

高級料理を奢ってくれることや、大きな花束を用意してくれることももちろん素敵だし、憧れるけれど、会話の中に潜むヒントを見逃さないことが1番喜ばれることなんだと思います。あの時の話を覚えてくれてたんだ!っていう喜びってお金やモノには変えられないとても価値ある幸せな感覚だと思います。

指揮を取ったダヴィド・フェンキノスが原作著者ということもあり、映画自体原作に非常に忠実でした。映画を制作することを念頭に書かれていたのでしょうか。
原作では、映画であまり描かれていない、ナタリーと旦那さんフランソワの甘酸っぱい出会いや、愛おしい日々が綴られているのでそちらもオススメしたいです…。
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