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300 スリーハンドレッド 帝国の進撃のオリのレビュー・感想・評価

3.6
古代ギリシアにおけるペルシア戦争のうち、
レオニダスを筆頭にスパルタ兵が死を賭して戦い抜いた地上戦〈テルモピュライの戦い〉を描いたなら、
アテナイの将軍テミストクレスのもとに戦われた〈アルテオンの海戦〉〈サラミスの海戦〉を描かないわけにはいかない。

テルモピュライでスパルタ兵300人は全滅して、ペルシアにアテナイは蹂躙されたけれども、その後のサラミスの海戦に勝利したことで、ギリシア全体でペルシアに勝つことができた。

このギリシアの勝利は、当時、自由の勝利と捉えられていたが、現代では西洋民主主義の勝利として受け取られている。
本作は欧米の観客にそう思って見られる映画。
われら祖先は多くの血を贖って野蛮なペルシアの侵略を食い止めたのだと興奮する映画なんだけれども、ここにはあわせて、アテナイの視点とシンクロさせて、スパルタは専制的な野蛮な人たちだという侮蔑のニュアンスが混じっている。
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