長いカメラワークは、主人公の人生に自分の目線がチューニングされたような感じで、彼女たちの眼差しに熱くなって、冷たさに傷くようなかんじでした。
強烈に脳裏に刻まれた記憶でさえも、いつの日か徐々に薄く淡くなっていく。けれども、たしかに一緒に過ごしたあの時間はあって、その「時」の存在を映像でみつめるような映画かと。
記憶は過去の事実を感じるか、感じないか。自分から遠ざけるか、近くに置いておくか。
友達が教えてくれた、宇宙一元論(宇宙があって自分が存在するのではなく、宇宙を意識するから宇宙がある)が頭をよぎったり、昔の苦い記憶が少し呼び起こされたりしました。