このレビューはネタバレを含みます
【 ホット・ファミリー 】
かつてポン・ジュノ監督が、「これからの映画には挑戦が必要だ」というようなことを言っていた記憶がある。本作を観てその言葉を思い出した次第である。
朝鮮半島における南北問題をテーマとした作品だからだ。北の工作員らが家族を装い、南でスパイ活動する話が非常に興味深かった。
人としての“当たり前の幸せ”を抑圧される辛さ。
人としての“当たり前の幸せ”を享受できる幸せ。
その狭間で生きる家族が、その葛藤に揺れ動く様が観ていて辛い。
『レッド・ファミリー』というのは、北の家族という意であると解釈しているが、私からみればツツジ団は、温かく仲睦まじい“ホット・ファミリー”であった。