福福吉吉

KILLERS キラーズの福福吉吉のレビュー・感想・評価

KILLERS キラーズ(2013年製作の映画)
3.5
連続殺人鬼の野村(北村一輝)は女性を拘束して殺害し、その様子を動画サイトにアップしていた。その動画を偶然発見したジャカルタのジャーナリストのバユは衝撃を受ける。ある日、バユはタクシー強盗に遭い、そのとき、犯人から拳銃を奪って犯人を射殺してしまう。バユは混乱する中、犯人の死体を撮影し、衝動的にネットにアップしてしまう。その動画を見つけた野村はバユを接触を図ろうとする。

東京では野村のストーリー、ジャカルタではバユのストーリーが並行して展開していき、その中で野村とバユが交錯していきます。

野村は殺人鬼であり、精神的に壊れた人物として描かれています。野村は幼少期の姉への愛情に縛られており、姉の亡くなった現在でもその気持ちが変わらず、他者への愛情を抱かないことが描かれています。また、他者に対して暴力をふるうことに罪悪感が無く、自分の邪魔をする者に対して徹底して攻撃する性格をもっています。

一方、バユは政治家ダルマの汚職事件を追っていたが、罠にはまり記者として転落していきます。その影響で妻や娘と別居しており、鬱屈した気持ちを抱いていたことが描かれています。しかし、どこか自己中心的な感じがしていまひとつ感情移入できませんでした。

野村とバユはネットで交信し始めるのですが、決定的な違いが2人にあるように感じました。野村は殺人を嗜好しているが、バユは殺人を怒りのはけ口とした一時的なものだったことが挙げられます。そのあたりの気持ちのすれ違いが感じられました。野村は自分と同類の人間としてバユを見つけ、孤独感を解消しようとし、バユはそれを拒否しているのが印象的でした。

残酷な描写は野村のストーリーで多く、かなり力を入れて殺人シーンが描かれていました。

なかなか面白かったと思います。

鑑賞日:2023年7月3日
鑑賞方法:U-NEXT
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