tokyochocolate

FORMAのtokyochocolateのネタバレレビュー・内容・結末

FORMA(2013年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

よく考えて精密に作られている感じで好印象。他のレビュアーも言っていたが、ハネケと似た印象はある。雄弁すぎないこと、不穏な空気で語ること、というのは、良い映画の必須条件であると思う。特に、途中で唐突に挿入される一人の登場人物と、彼を追うことでストーリーが紐解かれる手法は上手だった。初作品という話だが、技巧的に工夫が多いし、概ね成功していたと感じた。

「女性にしか撮れない作品」だと思うが、一方で受け手側の男女に寄って解釈が違うというのが驚きであった。
凄くシンプルで嫌な言い方(であり、この作品の本質でもあるが)、結局男は可愛い女の子を庇うのだ。
父親との関係について、本当か誤解かについてどちらとも言えないように思う人が多いようだが、私の印象では、100%黒である。「身体的な意味」で、関係があったと解釈している。
彼女の他の男性への振る舞い、男性側の挙動不審な態度などからして、かなり明らかだと思う。
あのカフェ店員の男に対しての
・婚約者いるのにご飯行って相談
・綾子と対決の時に何故かそれを彼に言う
・実際トラブルが起きたら泣きばかりで、その上「もう結婚できない」とか言って、彼を期待させた上で、結局彼に処理させる
・それなのにあっさり結婚諦めるのやめる
・その後相手が来たら冷たく追い返すんじゃなくて、最終的には彼が帰るところを追いかけて泣き縋る
あたりの対応からして、相当の天然流されビッチで泣いてどうにかしてきた系なんですよ。これが「色目を使う」じゃなくて、なんなのか。

でも、男性はこれを見て、「行き遅れ女の嫉妬による誤解じゃないのかな」って思う。それが結構衝撃。

そして、最後の最後だって、泣いたら許されているしねえ。
あそこで、泣かれたら刺せなかったことだって、関係があったことの証拠だと思うけどね。
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