バティ

トム・アット・ザ・ファームのバティのレビュー・感想・評価

3.7
グザヴィエ・ドラン作品初鑑賞。

冒頭から暗い雰囲気で危うい空気感が満載な作品。
勝手にサイコサスペンスだと思って見ていたが期待はどんどんと裏切られる。
その度に話に入り込み理解しようとしながら必死に鑑賞。
ラストはえって感じで終わってしまったが、理解が難しい映画だった。

この後はネタバレも注意。

主人公は亡くした恋人の葬式へ行き、恋人の実家へ。
家族の母親と兄がいたが、恋人がゲイでバイだと知らない母親と知っていて隠そうとする兄の間で苦しむ主人公。
兄は暴力的で度々自分のルールを守らせる為に暴力を振るってくる。
何度か逃げ出そうとするが、車を壊され帰れなくされてからは次第に仕事に没頭し必要とされていると感じる様になった。
結局ラストでは逃げ出しているように見えたが、兄の中に元恋人を見ていたんだろうし、元恋人に依存していた事で何かに依存しなきゃ生きられない感情になっていたんではないかと感じた。
そして兄は弟(亡くなった元恋人)がゲイなどは村八分にされる閉鎖的な田舎からゲイでもバイでも自由に生きる為に田舎を捨てた事に憤りを感じていて、そして兄もゲイでバイだが母親に寄り添い田舎で生きる事に縛られていたんではないかと思った。
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