No.2718
東日本大震災から間もない、福島県南相馬市が舞台。
それはそれで意義がある。
しかし、この映画を被災者や、当地南相馬の人が見たらどう思うか、と考えたら、やはり評価するのは難しい。
「クサ」を吸う、という露骨な描写は、もっとオフビートな映画ならわかるけど、見ようによっちゃ、なんだか挑発されてるような気がして、嫌悪感を覚える人もいるだろう。
この映画で言いたいことはなんとなくわかるような気はするんだけど、結局なんとなくしか伝わらない。いや、何となくも伝わってないかもしれない。
でも、映画の撮り方自体は、俳優の大鶴義丹が監督をしていることもあって、安定感はあるし、決して奇をてらった撮り方ではないから、割と好きな方ではある。
しかし、南相馬という特別な場所を舞台にするのであれば、やはりそれにふさわしい脚本がもっとあったのではないか、と率直に思わずにはいられない。