オクムラ

それでも夜は明けるのオクムラのレビュー・感想・評価

それでも夜は明ける(2013年製作の映画)
4.5
かなり衝撃的な映画でした。
黒人、奴隷制度について知ってるつもりで何も知らなかったと思い知らされた。

ストーリーはアメリカ北部では自由黒人音楽家で家族と幸せに暮らすソロモンが、誘拐され南部に奴隷として売り飛ばされてからの12年間を描くというフィクション。

人種の坩堝であるアメリカの人種差別問題。その中でも白人vs有色人種(主に黒人だと思う)の根元にある南北戦争前の奴隷問題、奴隷制度について触れてる作品。

自由黒人という言葉を本作で初めて知って、北部と南部では黒人、奴隷に対する考え方が違うのが分かりました。南北戦争とかもそうですしね。

圧倒的に白人優位。ベネディクト・カンバーバッチみたいな優しい人もいるけれど、多分殆どはポール・ダノやマイケル・ファスベンダーみたいな人のが多かったんだろうなぁって思います。

ニガー、所有物という言葉の往来でここまで直接的な差別には目を背けたくなりました。
鞭で家畜のように打たれるし、理不尽な仕打ちを受けるし、教養があることさえ許されず、本当に吐き気がしました。
ちょっと白人嫌いになっちゃいましたわ。

アメリカ合衆国の領域に置いて、植民地時代を含めると約200年も黒人を奴隷とする歴史があるわけで、つまりは白人による黒人差別は生活に根付いてるというよりも、そういう遺伝子によるものに近い気がしました。「フルートベール駅で」もそうだけど、黒人差別は奴隷制度が終わっても残ってて、一生の課題なんじゃないかって思います。

これは一生のうちに見た方がいい映画だとは思います!!面白いとか感動とかそういう言葉で片付けてしまうのは失礼な気がします。ソロモンは凄いと思う。

ただ、カナダ人大工として登場したブラピは何者だったんだろうか。笑
良いとこ取り感が凄い…。けど、ブラピ出た時は凄いテンション上がりました!

キャストもかなり豪華です!
是非見て頂きたい!