Antaress

ウォルト・ディズニーの約束のAntaressのレビュー・感想・評価

4.8
メリー・ポピンズを観てから本作を観るの絶対にオススメ。

出だしのウォルト・ディズニー・プレゼンツのところから素敵じゃない?物語の時代に合わせてレトロなロゴにしてるの。そこからもう大好き。

トム・ハンクスは上手いんだけどウォルトさんを演るにはゴツいんだよね。私はフランス人俳優だけどジャン・デュジャルダンに演って欲しかった。特にアーティストの時の彼は顔も雰囲気もウォルトさんに良く似てた。

実写版ピノキオのゼペットもトム・ハンクスだけどあれも無いわ。ゼペットはもっと痩せた爺さまにしないと。最近のディズニー、迷走し過ぎだしトム・ハンクスに頼り過ぎ。

ああ、でも雲のシーンから始まるのも良いなぁ。雲と言えばメリー・ポピンズだもの。そこに流れる優しいピアノの音色がチム・チム・チェリーだなんていきなり泣けるじゃん。

本作の原題ミスター・バンクスの救済もメリー・ポピンズ好きなら泣けるよね。

メリー・ポピンズは楽しく可愛いお話だけどベース・ストーリーは崩壊した家族の再生。特に家族と社会の中で孤立する父親を救う話だから。
その事情を説明しているのがウォルト・ディズニーの約束。

でも原作者のトラヴァースが怒り心頭になるのは分かる。メリー・ポピンズのキャラを大幅に変えられたら許し難いだろう。

スティーヴン・キング原作のシャイニングがキューブリックに【頭のイカれた親父】の話にされちゃったのにはキング本人も私含めたキングファンも未だに怒っているもの。

そこは置いといて本作はディズニー好きには堪らない映画だ。
ウォルト・ディズニー・プロダクションやディズニー・ランドが出て来るだけでワクワクする。

トラヴァースがホテルの部屋にもブチ切れてたけど自分ならテンション上がり過ぎて鼻血出るわ。部屋がディズニー・プラッシュ塗れなんて天国じゃん。

昔ブリヂストンのキャンペーンでお泊まりディズニーが当選した時、夜ホテルの部屋に入ったらウェルカム・ミッキーが置いてあってすっごく嬉しかったんだ。

でもトラヴァースの反応は
「気の毒なA ・A・ミルン」
だもんな(笑)

そこまでトラヴァースを偏屈にした元凶は彼女の父親。

いつの時代も男はつらいよと男は主張する。でも生きるのが辛いなら家庭なぞ持たず好きに生きれば良い。
独り身なら酒に溺れて身体を壊そうが、職を無くそうが本人の勝手だ。
けど女や家庭に安らぎを求めるのも男なのだ。

男って無駄に夢を捨てられないから病むんだよな。

女なんかもっと辛いんだぞ。
でも女は現実を見てる。
ミスター・バンクスを救うのも結構だがアホ男に振り回されたトラヴァースの母こそ救って欲しい。

それを考えるとデッカい夢を叶えたウォルトさんは本当に偉人だ。

トラヴァースとウォルト・ディズニーは毒親を許した事で自分を解放出来たのかな?


試写会のシーンのグーさんやら白雪姫やらペンギンやらにいちいちキャー!ってなる。
ジュリー・アンドリュースとディック・ヴァン・ダイク役の人たちチラッとしか出て来ないけどそこも見逃さないで!

〆はトラヴァースをエスコートするミッキーね。

実際の写真が写るエンドロールも良いわ〜


メリー・ポピンズから続けての鑑賞でやっぱ号泣でした。
Antaress

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