ルネ

オーバー・ザ・ブルー・スカイのルネのレビュー・感想・評価

5.0
2014年日本公開のベルギー映画。監督はフェリックス・ヴァン・フルーニンゲン。

2013年・第63回ベルリン国際映画祭パノラマ部門やトライベッカ映画祭などで高い評価を獲得。第86回アカデミー外国語映画賞にもノミネートされた。

カウボーイに憧れるミュージシャンの男とタトゥデザイナーの女という、趣味も性格も異なる2人の激しい愛と生きざまを、エモーショナルなブルーグラスの音楽にのせて描いた物語。

ジャケットがオシャレでセクシーだったのと、ブルーグラスとかカントリーが聴けるのなら楽しそうだと観てみたのだが、内容にはまったく期待していなかった。そしたら『ブルーバレンタイン』、『21グラム』級に素晴らしい作品でやられた。

2人の出会いと結婚、出産、そして子供についてなどが、『21グラム』ほどカオスじゃないけど、時間軸をシャッフルして回想しつつ語られる作品。演奏シーンの素晴らしさも見事。

恋愛が始まるある意味一番美しい瞬間が描かれていて、観ていてなんとも幸せな気持ちに包まれた。これは『ブルーバレンタイン』もそうだった。最初ってすべてが美しく見えてワクワクして、本当に楽しいんですよね。その後がどうであれ・・・。

その後の予想を反して(ぼくがあらすじまったく知らなかっただけですが)のヘヴィーな展開も、かなり鳩尾を蝕んで行く。深く、深く。悲しすぎる。奥さん役の女優さんの肢体の美しさがシャーリーズ・セロンか麻美ゆまかってくらい美しくそしてセクシーで、ムラムラするというようりはため息が出た。

ラストも素晴らしすぎて、言葉が出ない。ただただ泣いた。

まごう事なき傑作。あんまり話題になってない作品だと思うので、多くの人に観て頂いたいと思います。
ルネ

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