H4Y4T0

ダラス・バイヤーズクラブのH4Y4T0のレビュー・感想・評価

ダラス・バイヤーズクラブ(2013年製作の映画)
4.0
余命30日と宣告されたHIV患者ロン・ウッドルーフが自ら身体を張ってAZT(治療薬)の不明瞭な効能性を立証し、製薬会社を相手に奮闘する実話映画。
マシュー・マコノヒー&ジャレッド・レトーの色濃い演技力に脱帽。熱き役者魂に血湧き肉躍る。

薬物の乱用と性行為による感染のリスクを背負いながらも、それまで勝手気ままに生きる人生だったロンの心境の変化や揺るぎない信念に「生」に対する強い執着心を感じた。
度々使われる台詞「人生は一度きり」という言葉がここまでしっくり来ることも然う然うないんじゃないかな。

自身の経験を基に設立した会社「DBC(ダラス・バイヤーズ・クラブ」によってHIV感染に苦しむ人々を少しでも多く救おうとする姿に心底痺れた。
劇中のロンはぶっきらぼうで礼儀作法に欠けたカウボーイ(自称)だが、持ち前の不屈の精神力が結果的に人を思いやる気持ちに繋がっていたのだと思うと泣ける。

利益や収益の為ではなく、自分自身が「正しい行い」だと確信を持つことが彼の原動力となったのだろう。
人間その気になれば何だってできる、誰しもが胸の内に秘めた”強いエネルギー”を蔑ろにしているだけ。
医師の思惑とは裏腹に、自身を被検体にあらゆる治療法を試みて宣告された余命以上の人生を生き永らえる姿にホッとするやらヒヤヒヤするやら。

堕落した人生から這い上がる男の生き様は最高にカッコいい。
人生一度きり、生きてるだけで丸儲け。思いっきり馬鹿やったとしても悔いさえ残らなければそれでいいのだ。
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