罪悪感から人生を投げ出したような生活を送る男性の再生の物語。
だけど、それだけではなく、そんな男性を癒しながらもどん底のような生活からの浮上という希望を、その男性にみた女性の物語でもあります。
まず、ヒロインを演じている池脇千鶴さんが魅力的な作品でした。
演技が上手いからとかそういう技術的なところもあるのだと思いますが(演技の上手い下手など語れるほど色んな作品を観ているわけでもないですし)、女性の強さと可愛らしさを、滲み出てくるかのように感じさせてくれる女優さんだなぁと感じます。
この作品だけではないのですが、特にこの作品では、その強さと可愛らしさが、すごく重要な作品の要素になっていると、感じました。
他の配役も、これ以上この役がはまる役者さんはいないのではないかと感じさせるほど、見た目の雰囲気から、その役割を体現しているようでした。
題名の「そこ」は、「底」の事なのか、どこそこの「そこ」の事なのか。
どちらもなのだとは思いますが、メインの3人の関係性については、特定の場所を指す「そこ」のように、3人だけの特別なもので、輝いているように感じました。