そこのみにて光輝くの作品情報・感想・評価

そこのみにて光輝く2013年製作の映画)

上映日:2014年04月19日

製作国:

上映時間:120分

ジャンル:

3.7

「そこのみにて光輝く」に投稿された感想・評価

このレビューはネタバレを含みます

仕事の事故で可愛がっていた部下を喪くしたショックを引きずり、死んだように生きている達夫(綾野剛)は、パチンコ屋で拓児(菅田将暉)と出会う。達夫は拓児にタバコの火を貸す。ただそれだけで、拓児は達夫を自分の家に誘う。拓児はそれほど人懐っこく、そして底抜けに明るい若者だ。
拓児の家は海岸近くのバラックで、そこには病気で寝たきりの父と母、そして姉の千夏(池脇千鶴)が暮らしていた。
拓児は傷害事件を起こして刑務所にいたが、いまは保護観察の身。千夏の愛人で町の有力者の中島は拓児の引受人になり、自分の会社で拓児を働かせている。
千夏は水産加工場で働くが、それだけでは家族を支えられず、夜の町で身体を売っていた。

綾野剛、菅田将暉、池脇千鶴、この3人が本当に素晴らしい。
達夫は拓児の明るさに救われ、拓児も達夫を慕う。そして達夫と千夏は愛し合うようになる。まわりから見たら、ひどい日常かも知れない。しかし、そこに光はあるのだ。
それは、お互いからしか見えない光だ。

終盤、達夫と千夏が達夫の部屋でスイカを食べているシーン。達夫は元の仕事に戻ることを決めた。千夏が言う。
「戻る前に亡くなった人のお墓参り行こう」
達夫はしばらく何も言うことができない。沈黙の後「ありがとう」とだけ言い、千夏の胸に顔をうずめる。
沈黙の長さ、短いセリフ、そして嗚咽。お互いがお互いを、どれだけ必要としていたかが伝わる。そして、この後2人は結ばれる(このシーンも素晴らしい!)。

映画は、達夫の元に彼の妹から手紙が届くシーンで始まる。妹は亡くなった両親のお墓の心配をしている。妹はすでに嫁いでいる。そして、達夫がお墓の問題に無頓着なのは、家族がいないからではないかと指摘する。

家族は面倒だ。
千夏は父の病気のために家を出ることも出来ず、そして身体を売っている。保護観察中の弟も心配だ。
千夏は達夫との結婚を決め、愛人の松本と別れようとする。松本は、地元企業の社長で周囲には鷹揚な態度を見せるが、実に“小さい”男で、拓児の雇い主でもあり、彼の保護観察の引受人の立場でもある利用し、千夏との関係を続けようとする。千夏が身体を売るほど困窮していることには手を貸さないクセに、だ。
千夏を巡って達夫と松本が争いになる。
殴り合いのあと、達夫が言う。
「家族、大事にしたらどうですか?」
松本が返す。
「大事にしてっから、おかしくなんだべや」

千夏は家族に縛られている。そもそも弟のことがなければ松本との別れ話も簡単なはずだ。
千夏は元気だった頃の父との思い出を大事にしている。しかし、重荷に耐えられず、千夏は父を手にかけようとする。駆け寄って達夫がそれを止める。

千夏の「今の」家族は大変だ。しかし、達夫と育むのは「新しい」家族だ。
終盤、もう一度、達夫の元に妹から手紙が届く。妹は達夫の結婚を祝福する。

ラスト、父の部屋から飛び出した千夏。彼女を追う達夫。2人を巡ってカメラはパン、そしてフレームは遠くに太陽を捉える。手前に立つ2人。そう、太陽は眩しくも2人を照らしている。
この後も、決して楽ではないだろう。しかし、彼らはお互いの存在に光を見出すことによって、生きていけるだろう。そういう希望を感じさせるラストシーンだ。
泣いていた千夏、こわばった顔の達夫だが、2人は僅かに表情を緩める。
綾野剛のインタビューより。
「この人たちはこの先も生きていくだろうと伝えることが、一番重要なんだと思います。」
暗いから、そこで輝くもの、それが光なのだ。
usk

uskの感想・評価

3.7
沼のような、溢れ出す血のような
重たい苦しい闇

人間になりたい、という気持ちと
変えることのできない自身

苦しいが優しい
何の救いもなく、虚しく悲しい気持ちになる作品でした。
介護の悲しい一面も映画の中に度々映し出されていて、何とも言えない複雑な気持ちになりました。
作品内に出てくる家族にとっては、綾野剛演じる主人公が唯一の救い(光)だったのかな?と思います。
ゆり

ゆりの感想・評価

3.3
池脇千鶴さんが色っぽい。役者たちがうまいが あまりのめり込めなかった
ERI

ERIの感想・評価

-
記録

ずっと気になっててようやく鑑賞。
ぷー太郎の達夫演じる綾野剛さん。
仮釈中の弟拓児役に菅田将暉さん。
身体を売ってる姉千夏役に池脇千鶴さん。
3人の友情と愛情と家族の話。
簡単に仕事やめろとか言うな、
言うなら養って見せるだけの仕事してからだ。
拓児も千夏もお互いが大切で家族が大切で
だから見境がなくなってしまうところに
達夫が来てくれて良かった。
誰かがそこ(底)のみにて光り輝くって書いてて
あーそういう解釈もあるなと感動。
ラストは2人苦しい笑顔に見えたけど
どうかみんな幸せに向かってほしい。
貧困、底辺な生活、要介護者のいる日常のしんどさよ。

このレビューはネタバレを含みます

菅田正暉が出演している映画を初めて見たけど、演技力が凄まじくてびっくり。もちろん池脇さんや綾野剛も素晴らしかったけど。

あくまで映画だけど、社会のどん底を見ているようでとても心が苦しかった。山に行くことを決め、定食屋で、主人公と千夏と拓児で笑いあっていたシーン、彼らにとってはずっと真っ暗だった中に一筋の光が見えた瞬間だったんですよね、本当に嬉しそうな姿に涙したんだけど、束の間の幸せとなってしまうとは
かえで

かえでの感想・評価

2.9
暗い話好きやけど期待外れ
リアリティの問題?
オーバーフェンスの方が好き
惹かれあった理由なぞ
菅田将暉の演技すごい
綾野剛と菅田将暉目的で鑑賞。
不器用な男と諦めた女、どこかで惹かれ合う二人、純和風な恋物語観てて胸が締め付けられた。
菅田将暉は意外と毛深い事を発見
池脇千鶴は2003年の「ジョゼと虎と魚たち」が印象的です。
tanno

tannoの感想・評価

3.7
達夫と千夏はこれからゆっくり2人のペースでいいので補いあって少しでも幸せになっていってほしいです

お母さんが報われる片鱗を見せてほしかったなー

たくじ(菅田くん)はキーマンで、物語の上では唯一太陽のような存在だったから、展開わかってたけど最後は耐えてほしかった…
Luna

Lunaの感想・評価

3.7
記録用


こんな生活の人がこの日本にもいるのかってまずそれに衝撃を受けた。
とにかく暗くて重くて結局救えない。
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