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Seventh Codeのさんのレビュー・感想・評価

Seventh Code(2013年製作の映画)
4.2

最初の宙ぶらりんなもはやコメディ状態から、拒絶、断絶ときてどんどん高まる不穏な空気感に不安が掻き立てられて、グラつかされ、鈴木亮平の部屋であっちゃんが振り向いた瞬間を頂点に、普通に騙されてたことに気づいた。途中どんどん見ている側とのテンポがズレていくのだけど、あっちゃんがマンションを出て行く瞬間の鈴木亮平を待つ女とのすれ違いで、ばっちり「てめえら置いてくぞ」って言われた感じがしてめっちゃ快感だった。
思えば、最初の坂を駆け上り駆け降りるシーンは、まさにこの映画の展開に置いていかれる奴らのような感じがしなくもない。
報酬受け取り場所に入る時の、シーソーみたいなのの真ん中にあっちゃんがいるのは、またこれも宙ぶらりん感を植え付けられる。
でも何故か、最後、あっちゃんは与謝野晶子の詩を叫び、爆発する。宙ぶらりんとは似つかない衝動と確信みたいなものがある。
色々言いつつも、見た直後で、セブンスコードの意味とか与謝野晶子の詩とか全然わかんないけど、とりあえずさいこうだった。
あと不穏な空気感といえど、何しろあっちゃんなのでポップな儚さというか、ぎこちなさというか、そういうイメージから発生する、ある種「かわいい」がそこにどうしても感じられるのがたまらなく良い。あっちゃんてまじで不思議な魅力あるな。山下敦弘の『もらとりあむタマ子』といい、本作といい、タイプ全然違うけどめっちゃ好きだわ。
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