TaroYamada

アバウト・タイム 愛おしい時間についてのTaroYamadaのレビュー・感想・評価

3.0
自分の心の中のハードルが少し高かったか、あれっ?という気持ちも多少有るが、十分楽しめた、良かった、ほっこりした

広告宣伝のイメージはドーナル・グリーソンとレイチェル・マクアダムスのラブコメディだけど、作品の肝は主人公を軸にした家族愛を問いかける映画だった

人間が幸せに生きていく為に本作では主人公に【タイムトラベル】という方便が与えられている
初めは自分が彼女を作る為に使い、そして家族の為にその能力を使い、何とか思い描く人生を歩める様に奮闘する
【タイムトラベル】とは奇抜な手法では有るが、これをメタファーとして取れば全ての人間にとっての生きていく為に必要な物は何なのだろう?という根源的な疑問に辿り着くのかも知れない
それは時間なのか、金なのか、愛なのか、友情なのか…主人公は人とは違う能力を得る事で、誰もが望む人生の幸せ、安らぎを得る事が出来た
いや、その能力が有るからこそ捨てなければならない物も有った、人は全てを望んでみても全てを得られる事は無い
また【タイムトラベル】を扱う本作だからこそ、時間は常に未来へ進む一方通行で決して後戻りは出来ないという事を上手く描いていた様に思う

ラスト10分辺り、ドーナル・グリーソンとビル・ナイの親子のシーンはそんな事柄を見事に表す素晴らしいシーンだった