狼狽

アバウト・タイム 愛おしい時間についての狼狽のレビュー・感想・評価

4.5
映画好きなら勿論、普段あまり映画を観ない人でも一度は観たであろう、ラブアクチュアリーで有名な監督リチャードカーティスの3作目です。
本題のアバウトタイムの前に、僕はラブアクチュアリーにもものすごく思い入れがあって、一人ぼっちのクリスマスは家でラブアクチュアリーを見て、明石家サンタを見るのが大好きな過ごし方でした。
僕の灰色のクリスマスに彩りを与えてくれたラブアクチュアリー、クリスマスだけで何回観たことか。もちろんDVDで持ってます。

そんな大好きなラブアクチュアリーのリチャードカーティス監督のアバウトタイムなので、かなり期待して観ました。
あまり内容を知らずに観たんですけど、ベタなただのラブストーリーじゃなくて、主人公の男がある特殊能力を使って恋愛を成就させるというラブコメでした。

それにしても、男が特殊能力を持つとろくでもないというのは通説ですね。もっとまともなことに使うべき! と思うんですけど、これはもう仕方のないことなんでしょうね。

だけど、このアバウトタイムが面白いのは、その能力を持ってしてもどうにもならないことがあって、その状況に立たされた時にどうするか、という面白さです。
世にも奇妙な物語だと容赦なくバッドエンドですが、リチャードカーティス監督はちゃんとハッピーエンドにするので安心してください。
終盤の展開には本当に感動します。
序盤はあんなにろくでもなかった主人公の成長っぷりに目頭が熱くなりました。

あと、お父さん役のビル・ナイが素晴らしいです。
ラブアクチュアリーではふざけた歌手を演じていたのに、ギャップがあり過ぎます。
本当に最高なお父さんです。
結婚式のシーンでのスピーチ、思い出しただけで泣けるし、ちょっとズルするのがやはり親子、血は争えないな、と。微笑ましいです。

僕はこのアバウトタイムをもっと若い時に観たかったです。
この映画で言わんとしていることは、なるべく若いうちに悟るべきです。僕はやんわりと悟っていたつもりでしたが、改めて大事なことだと認識させられました。

やっぱりリチャードカーティス監督好きです。
ただ、残念なことに監督はこのアバウトタイムを最後に引退されるそうです。
しかし、監督人生の最後を締めくくる作品として、このアバウトタイム以上に真っ当な作品はない気がします。
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