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ローン・サバイバーのtoyocaのレビュー・感想・評価

ローン・サバイバー(2013年製作の映画)
3.4
懲りずに、アメリカ目線の戦争映画。『アメリカンスナイパー』を観た後にこちらの作品も観ようと思いつつ、テンション低下で長らくスルーしていたのだけど、昨日の『野火』からの戦争映画テンションで観てみた。苦手なアメリカ目線だけれども、ご都合主義な『フューリー』と違い、実話を基にしただけあって、ここぞとばかりにボロッボロになるシールズ達にリアルを感じた。痛い……痛い……。そして、非常事態への対応がグッダグダで、その点もやたらリアルを感じた。

やはり、この映画の特筆すべき点は「パシュトゥーンの掟」なんだろう。まさかの展開に、「リアルは小説よりもご都合主義」だった。前半の逃した山羊飼いに対して、シールズ達はそんな気概はなかったであろう。国や利益や信じる正義などの背景が大きくなればなるほど戦闘という名の殺人が許されると思うのだろう。それが戦争なんだろう。しかし、綺麗事だと言われようが「パシュトゥーンの掟」のように助ける正義があれば、と思う。また、『みかんの丘』のように、ひとつの家に単純な「殺し合いをしない」というルールがあり、それを尊重する人がいて、その家がたくさんたくさんあれば、と思う。大きな波に飲み込まれる戦争映画を観るたびに、そう思う。
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