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スライヴのsumiccoのレビュー・感想・評価

スライヴ(2011年製作の映画)
2.9
※ 注意 ※

見た目は
友だちの家に招待されたとき
ちょっと引くほど歓待してくれたお母さんが
自分のためだけに焼いてくれた普通のパイですが
中は想像以上にドロッと濃く
リンゴなのかクランベリーなのか
なんなら果物ですらないかもしれない気がして
「これはなにが入っているんですか」と
尋ねてみたものの
「体にいいものよ」って
ただただ微笑み返されたとき、

みたいな自己啓発系の映画です。

人によっては
”開眼必至の最高ドキュメンタリー” と
呼ぶかもしれませんし
作中の言葉のいくつかから
「ああ、たしかにね」という感想は得られたので
有益な要素も含まれるとは感じるんですけど。

あたしはこの作品を激推ししてくる人とは
ちょっと距離を置いて生きていきたい(笑)

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最初は、科学の神秘からのアプローチです。

UFOとかミステリーサークル、DNA構造、
64にまつわる三次元図形の謎というトピックから
”誰がやったのか” を
紐解かないところは好きでした。
最後まで観ると
そもそも科学関係なさそうな感じがするので
深掘りしない理由も納得なんですけども(笑)

そこから
せっかく発見されたフリーエネルギーの使用が
誰の手によって阻止されているのか?という
だんだんときな臭い展開に。

「話がおかしいと思ったら、金の流れを追うのです」

そして、腐敗金融の章に突入。
現代社会を何百年にも渡って操り続ける
ロスチャイルド、ロックフェラー、モルガン家、
石油会社、中央銀行、製薬会社!(笑)

はじめのうちこそ慎重な口調で
「…という可能性が高い」、
「充分な証拠と言えるでしょう」と言っていても
世界支配計画が出てきたあたりからは
「こうしてチップが埋め込まれているのです」

断言登場(笑)

合っている、合っていない、はさておき
陰謀論の流布ってこうやるんだなあ、という
いい教材にはなりました。

「これまで気が付かなかったのは
 私たちの過失ではなく、課題なのです」


最後は一気に
スピリチュアルなポジティブさでまとめて
あんな暗い話のあとなのに
こんな考え方のできる人たちいいな、と
賛同ムードに持っていくのも
作りとして上手かったです。

さらにそのあと
具体的になにをすればいいのか
ちゃんと教えてくれます。

「ゴミを分別しましょう」
「お年寄りに席を譲りましょう」
「〇〇党に投票するのをやめましょう」
「運転時は交通ルールを守りましょう」的な
さりげなさを装ったブッコミがツボ(笑)

でもここまで2時間、
「はああ…ほほお…」って感心して観ることができる人には
至極真っ当な案内に思えるのかもしれませんねえ。

とりあえずあたしは
誰よりも自分自身のために
大切な友だちには
勧めない方向でピリオドです(笑)
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