COZY922

寄生獣のCOZY922のレビュー・感想・評価

寄生獣(2014年製作の映画)
3.4
原作未読。地上波放送の録画で鑑賞。思っていたよりおもしろく深く哲学的な物語でした。

原作の知識がないうえに、映画館の予告で目にした時には寄生獣の姿形が趣味の悪いおもちゃのように見えたことと、そもそもグロテスクな描写が苦手なため観ようというモチベーションが全く起きなかったのですが、今回観て、一見での判断や食わず嫌いはだめだなと思いました。

鑑賞後も姿形そのものに対する印象に大した変化はないものの、寄生獣の描写を通して、emotionalでillogicalな人間ならではの性質にフィーチャーする場面がたびたびある一方で、人間以外の他に対するエゴを浮き彫りにする描写があり、人間らしさ、存在意義、環境や生態系における立ち位置を問うことが根底のテーマなのかなと思いました。

理性と感情、自己肯定と他者否定、共存と排他、そういったことを、特異な世界観の中でストーリー性をもって描き問題提起しながら、エンターテイメントとしても見応えあるものになっています。

地球、環境視点で見ると人間ってかなり特殊な存在なのかもしれませんね。

俳優陣では何と言っても染谷将太。やっぱり上手いですね。難易度の高いこの役をふとした表情、一挙一動まで力演してたと思います。
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