家族でディズニーリゾートへ来ていた中年のジム。直前に上司にクビを宣告され、それを家族に言い出せぬまま夢の世界へと……
口うるさい妻、我が儘な子供。そんな現実の中、ジムは自らの欲望と幻想をいだき、その一方で夢の国で悪夢のような幻を目にする………
この映画は、ディズニーリゾートで無許可で撮影し、問題となったもの。日本での公開もあやぶまれた。
1時間すぎたところでなんじゃこりゃ~な展開。
でも、終わった後にかなり考える変な映画
以下、断片的にネタバレですが、今回は備忘録的に書いておきたい。観る人によって捉え方は全く違うし、私の考え方も正しくはないから。
全編通して現れるフランス人の女二人組。ジムはつい追いかけてしまう。それこそ正にジムの欲望であり、大人の欲望である。そして、その二人は夢へとそそのかす天使でも悪魔でもある妖精。
魔女的魅力の女性とも出会い、気がついたら性的交渉をしてる。でも、縛られてる。これは後ろめたさからの被害者妄想なのではないか。
子供がケガする要因となるデブで車椅子の男。度々出てきては、ジムの脅威となる。理性への示唆なのか、自己嫌悪の表れなのか…
ケガした娘を連れて行った医務室で会う看護婦。猫インフルエンザが流行っていると言う。いやらしい目で見るジム。彼女は最後に「感染に気づいてない」と泣き崩れるんだけど、猫インフルエンザ→ネズミ世界にいるのにも関わらず持つ大人の欲望なのかな
花火を見て手を繋ぎ、放心状態でいわば宗教のように共鳴に陥る人々は、Dへの狂信的な盲目観念を表しているのではと。
フランス女に迫られて、でも理性を保ち断ったところで、彼女から唾みたいな水しぶきを浴びる、そして猫インフルエンザに感染してしまい…夢見る子供によって悲劇的結末をむかえるんだけど…
なぜか、変な地下施設で見せられた理想の自分を想像した映像(エロい妻、カッコいい俺)と同じように改めてディズニーワールドへと入っていく。
夢と理想の世界を拒否した代償はあるが、また結局夢の世界に縛られてしまう。というか全てハッピーエンドで終わらすディズニーに飲み込まれるかのよう…
一言でまとめるなら、あそこは、狂信的恐怖の夢の世界。必要なのは想像力?
モノクロでチープな不気味さ。
な、ブラックホラーコメディ。