MasaichiYaguchi

L♡DKのMasaichiYaguchiのレビュー・感想・評価

L♡DK(2014年製作の映画)
2.7
「別冊フレンド」に連載された、コミックスが累計360万部突破の原作は未読だが、一緒に観た原作ファンの長女に言わせると、「原作世界を壊している」らしい。
直情型の性格ゆえに様々なアクシデントを起こし、学校一のツンデレモテ男の久我山柊聖と同居生活を送る羽目になったヒロイン西森葵の恋を、時にコミカルに、時に切なく描いていく。
少女漫画らしい突飛な切っ掛けで二人は出会い、付き合い始めるのだが、その後は「王道的」なラブストーリーが展開する。
過去にトラウマを抱えた恋の相手、夫々に横恋慕する恋のライバル、そんな恋の障害に立往生する二人にエールを送る親友たちの存在。
至ってオーソドックスな「定石」で展開する本作では、やたらPRする「胸キュン」と柊聖の「ツンデレ」が突出して目立つ。
これらの要素も娘から言わせると「これだけの内容ではない」とのこと。
二人の恋の最大の障害である、柊聖がトラウマになっている二年前の出来事が後半で明かされるのだが、相手の身勝手さによって起こったことに何時までもウジウジしているイケメンモテ男って、いまいち現実感がない。
映画の最大の見せ場は、恋が叶うという七夕の花火大会。
果たして牽牛織女のペアのように、葵と柊聖のペアは結ばれるのか?
娘いわく「突っ込みところ満載」の作品だが、舞台となっている中華街、元町、コスモワールドをはじめとしたみなとみらい地区等、会社の支店のある横浜は私にとって見慣れた場所ではあるが、夜景を中心に改めてこの港町の魅力に触れた。
そして、主人公たちにエールを送り続けた親友二人、佐藤亮介役の中尾明慶さんと、渋谷萌役の岡本玲さんが良い味を出していて印象に残った。
この作品を契機に、デートスポットとして横浜が改めて見直されるかもしれない。