死んでしまった人を待つことと死んだかわからない人を待つことのどちらが辛いのか。
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あらすじ
父が行方不明になって8年が過ぎた。
4歳までしか一緒にいなかった娘は父の残した船小屋を改造して珈琲豆屋として移り住む。
彼女と近くに住む小学生の姉弟とその母との話。
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最近実父を亡くしたのですが、亡くなったことの寂しさを和らげてくれるのはその記憶を共有している家族や、自分がしてあげたことで喜んでくれた記憶だと思う。
そして涙を切るきっかけになるのは、「そうは言っても父は帰って来ないんだ」という諦めにも似た思い切りだと感じるのです。
主人公はまさに逆だな、と。
思い出は小さい頃の微かな記憶のみ。
自分が父を見限ったという思い。
そして父はまだ生きてるんじゃないか、そしたら償えるんじゃないか、という残酷な希望が残っている。
もしこの状態なら私は発狂するな、と見ながら思っていました。
そこにおいて新しく思い出を与えてくれる隣人の家族が希望として後半見えてくる。
前半はこの家族の方が辛そうで主人公が支え、後半は家族が彼女を支えてる。
人生って支えてる時もあれば支えてもらう時もたくさんある。というか、支えることで支えてもらってる。
そういうもんだな、と最近富に感じていたのでこの映画はしっくり来ました。
全体的な映画としては、物足りない部分もちらほら見えるのでそこまでスコアは高くないですが個人的には好きでした。