タミキーリ

円卓 こっこ、ひと夏のイマジンのタミキーリのレビュー・感想・評価

3.0
西加奈子の原作を芦田愛菜主演で映画化。
原作読了済み。

ものもらいになって眼帯してる姿が羨ましい、
吃音でしゃべるのがかっこいいなどと、
こっこが憧れ真似るものは、どちらかというとその人にとって
マイナスの部分ばかり。
別に悪意がある訳ではないのだが、そこがまた子どもが持つ
残酷な部分でもある。
そこをゆるくオブラートに包んでいる。

「うっせボケ」が口癖のちょっと変わった女の子。
円卓を囲んで食事をする大家族に充分愛されているのに、
本人はそれが気に入らず「かわいそうな私」にひたすら憧れる。

確かに、子どもの頃に悲劇のヒロインに憧れたり、
包帯に憧れたりしたあれに近い。

そんなこっこに対し、祖父の石太は子ども扱いせず、
相手がどう思うか想像することを教える。

ぽっさん不在でひとりぼっちでいた時に体験した怖いことが、
こっこの中に何かを生み、こっこなりに自分で解決しようとする。

ぽっさんが、自分が不在時にこっこが怖い体験をしたことを聞き、泣きながら謝る場面は原作にもあったが、
映像となるとまたとても良かった。ぽっさん役の子がよかった。

こっことぽっさんが「イマジン」して行動した結果の
幹さんの嬉しそうな顔も良い。

鼠人間は気持ち悪かった。