まこやん

ヒックとドラゴン2のまこやんのレビュー・感想・評価

ヒックとドラゴン2(2014年製作の映画)
4.2
一作目は、性善説に基づく異種間理解の話。少年とドラゴンの絆が憎しみ合う人間とドラゴンの間の争いを変えて行く。

二作目はどうしたことか、絶対に理解できない、分かり合えないような悪が出てくる。ヒコップももう子供ではなく、うっすらヒゲの生えた青年。成長と共に、絶対に相容れない価値観と出会うということか。父の死、首長の責任として皆を守る。地図を書き足しながら少年の世界がどんどん広がり複雑になる中で、母という生の原点との再会と、変わらないトゥースレスとの友情にホロリとくる。

力でドラゴンをねじ伏せて忠誠を従わせる悪役と、力を持って誰かを守ることを通じてドラゴンの忠誠心を得たトゥースレスとヒコップ。
僕はこの絶対悪の塊みたいな敵を憎めない。要はリーダーシップのあり方を間違えただけなのだと。

三作目が予定されているが、全てを前向きに変えてきたヒコップによって、この悪役にもハッピーエンディングが待っていることを期待してやまない。

それにしても、子供向けのアニメ映画にここまでの寓話的なメッセージを組み込むこのシリーズは本当によく出来ている。
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